スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

徴介護制度という愚かな考え

要介護者はモノじゃない!

僕が最初に「徴介護制」なる言葉を目にしたのは、自民、徴兵制検討を示唆という記事から。自民党は、「国民の義務」の議論として、言ってるようだが、まぁ、真意は分からない。徴兵制を敷いている国としては、ドイツや韓国が馴染みやすい国だと思うが、ドイツは、「良心的兵役拒否」として社会福祉への代役参加を許可している。例えば、「介護施設での従事」で兵役を免除できるという制度だ。その「良心的」と「介護の人手不足」とが相まって、「徴介護制」で解決できる、なんていう考えがネット上を闊歩したようだ。
全く介護というものがどういうものか分かってない人が考えそうな案だ。
ドイツでは、介護ボランティアで成功してるんだから、日本でも同様に思うであろう。そもそも、介護の対象者が、日本とドイツでは全く違う。ドイツの介護施設に入居してる人は、日本でいう「要介護2」くらいまでの、比較的元気な高齢者であり、重篤な状態の人はいないのである。日本の施設では、特養は、「要介護4、5」の人がメインであり、入居者の平均要介護は、4を超えている。老健でも4に近い平均要介護度なので、ドイツに比べると、知識がない人が介護するには到底無理なレベルなのである。

日本では、「介護」というものが、足腰の弱った高齢者の車椅子を押してあげたり、杖をついた人の介添えをしたり、話し相手になってあげる程度にしか思われていない。ドイツでは正にそのレベルの介護で済むので、子供の頃からボーイスカウトなどのボランティアが発達した国では有効な施策であろう。それに比べ、日本ではボランティアの文化は馴染みも無く、強制的に集めたとしても、機能するのかも大いに疑問である。

日本の介護が、どれだけ危険と隣り合わせか、もう少し見てみよう。
平成18年度のデータではあるが、平成18年度介護保険事故報告を見ると、世田谷区だけの事故報告だけでも、急増している。施設数の増加と従事者の増加に伴い、確実に増加傾向にある。事故内容に至っては、上位が「感染」「介護者の過失」「誤嚥」と、介護の訓練を受けた者でもこういう事故を起こしている。
この中に、何の訓練も無く「徴介護制」で人を導入したら、完全に施設は危険地帯になる。日本で求められている介護職は、十分に訓練を受け、介護の知識を持ち、医学的な見識もある程度持ち合わせた人になるのが、この事故報告からでも明らかである。更に言えば、重篤な認知症を患った要介護者に対応できるように、「認知症ケア」についても知識と技術が求められるのである。「徴介護制」で集まる誰もが出来るような内容ではないのである。
人手不足の解消と徴介護制度で最も損をするのは、要介護者当人であり、介護過誤で命に関わる問題に繋がる場合も多く、徴介護制で徴収された人やその施設で、それらの事故にどう責任を取れるのであろう。今はまだ表沙汰にはならないケースが多いが、介護過誤・事故の問題はいつ露呈してもおかしくない状態になっている。医療過誤の問題で、産婦人科医が激減したという社会問題になったように、それがいつ介護の分野に置き換わってもおかしくない状態である事も認識して欲しいものだ。

こういう背景を鑑み、それでも「徴介護制」で若者に高齢者の介護を押し付けるというならば、まずは、「厚生労働省の新人研修」でも介護施設、在宅介護事務所へ派遣してみてはどうだろう。この国の医療・介護の施策を担っていく若者に現状を理解させるにはとても良い経験になると思う。どこかの大量の何をしてるかはっきりしない新人議員の研修でも同じ事が言える。どちらも税金で所得は確保されているから、人件費も増えるわけでもない。今後、日本の医療・介護をどうしていけばいいのか、肌で感じて取れるので、実務に戻ったら良い施策を考えれるだろう。

介護職の人手不足を解消するには、介護職が魅力的で専門職であるという意識付けをしなければ、無理ではないだろうか。「徴介護制」なる発言が出ているようでは、誰でもできる簡単な仕事、という意識が蔓延っているからであろう。
現在、介護に従事している人、介護をしている家族を冒涜した安易な考えだと、はっきり申し上げておく。


スポンサーサイト

テーマ : 在宅介護
ジャンル : 福祉・ボランティア

コメント

非公開コメント

初めまして

厚労省新人研修や議員研修で介護・・・に大賛成。受け入れる方が大変そうですけど。
ヘルパー研修受けた時には、これは義務教育で必修にするべき?とも思いました。もう家庭で伝えられない(核家族でお年寄りとの接点も少ない)のですから。

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
プロフィール

あのま

Author:あのま
シングル介護で12年。要介護5の母親の介護をしながら、何の補助もない社会制度に苛立ちを覚え、赤裸々な現実をここで書いてみたいと思います。

Twitter
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
Visit Thanks
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。